プロ野球記録の2215試合連続出場で「鉄人」と呼ばれ、4月に上行結腸がんのため71歳で死去した衣笠祥雄さんの「お別れの会」が28日、広島市内のホテルで催された。午前は故人が黄金期を築いた広島球団から緒方孝市監督や新井貴浩内野手らが献花に訪れ、緒方監督は「秋にリーグ優勝、日本一の報告ができるように精いっぱい頑張りますと写真の前で誓った」と決意を立てた。

 新井は「自分の小さいころのスター」と思いをはせ、発起人でもある球団の松田元オーナーは会場に並べられた数々のパネルを前に「すごく思い出深い。思い出すことがたくさんありすぎて、感情が押し寄せてくる」と涙ぐんだ。

 多くの球界関係者も会場に足を運んだ。球団OBの山本浩二氏は「早すぎた。寂しい限り。キヌ(衣笠)なしでは私も成長していない」と、盟友の死を悼んだ。午後からは一般献花も行われる。

 衣笠さんは京都・平安高(現龍谷大平安高)から1965年に広島に入団。強打の内野手で鳴らし、3度の日本一に貢献するなどした。連続試合出場では87年6月にルー・ゲーリッグが持っていた当時の米大リーグ記録2130試合を上回り、国民栄誉賞も受賞。同年限りで現役を引退した。