ロッテがソフトバンクに連勝し、ソフトバンク、オリックスと3位タイで並んだ。先発酒居知史投手(25)が7回5安打1失点と好投。4月1日以来、3カ月ぶりの2勝目を挙げた。試合後には「プロ野球って本当に厳しいなと感じました。死に物狂いで勝ちを取りにいかないと勝てないことがすごく分かった」と正直な気持ちを打ち明けた。

 井口監督が待ちに待った男の完全復調だ。7回、デスパイネに1発を浴び、なおも2死一、二塁。酒居はフォークで福田を空振り三振に仕留めてピンチをしのいだ。「変化球も全部腕を振って投げられた」。この日を象徴する1球だった。

 開幕からローテの一角として期待された。だが4月1日に今季初勝利を挙げたものの直球が走らない。同30日に登録抹消され、約1カ月半の2軍調整。その間、大きな決断をした。今季導入したカットボールを封印したのだ。清水投手コーチは「真っすぐが走らないからカットに逃げていた。年とったらいくらでもできるんですよ。カットをなくして真っすぐをしっかり投げる原点に戻った。そこに自分で気づけたのが進歩だと思う」と説明した。

 生き返った直球は最速147キロを記録した。井口監督も「今日はずっと球が強かった。先発陣の刺激になるし次回も期待している」とたたえた。酒居の復調でますます勢いに乗りそうだ。【千葉修宏】

 ▼パ・リーグは3位にソフトバンク、オリックス、ロッテの3球団が並んだ。各チーム70試合以上を消化し、3位に3球団が並ぶのは、79年7月29日のセ・リーグ以来39年ぶりの珍現象となった。