夏だ!花火だ!筒香だ!DeNAが筒香嘉智外野手(26)の2発などでヤクルトに快勝、連敗を4で止めた。球宴ホームランダービーの覇者は6回に左中間席へ20号ソロ。7回には右中間へ21号ソロと豪快に打ち分けた。花火と筒香のアーチ量産は夏の風物詩。チームを3位に押し上げた。

 正真正銘、ホームランダービーが繰り広げられた。主役は筒香。対するライバルは、グラウンドを挟んだヤクルトベンチにいるバレンティン。6回の第3打席、まずは筒香が右投げの星の直球を左中間スタンドへ運んだ。「自分のスイングで打つことができた」という1発は、自己最速タイとなる81試合目での20号ソロ。直後、バレンティンが21号で突き放したその裏、筒香が今度は右中間へのソロアーチで再び並び、火花を散らした。

 球宴での余興で行われる恒例イベント、ホームランダービーを制して帰ってきた。第1戦の1本と合わせ32発の打ち上げ花火を上げ「いい感覚でいけたかと思っていたけど、あんまり良くなかった」。後半戦2試合は無安打。だからこの試合前の練習ではフリー打撃で、右打撃投手の球を徹底して左方向に運んだ。自分を見つめ直していた。

 2打席連続リプレー検証で本塁打が取り消された3日の巨人戦。消えた2発を「本当に入らなくてよかったと思っている。あれで入って、調子がいい気になっていたらダメ」。スライス回転しながら、左翼ポールの15センチ左にそれた打球は満足いくものではなかった。「試合前の練習からしっかり逆方向を意識して打たないと。引っ張って気持ちよくなっているようではダメ」。15センチを埋めるのではなくリセットした。

 消えた2発を取り戻す2カ月ぶりのマルチ弾。子どもたちの声援が後押しした。「キッズ STAR NIGHT」イベントで、来場者に子ども用ユニホームを配布。「この中に将来野球界を背負って立つ可能性のある子たちがいる。ああいう選手になりたいと思われたい。プロ野球選手にはそういう役割がある。もっともっと活躍して、そういう選手になりたい」。筒香が今年もホームラン王になる。【栗田成芳】