日本ハムが首位西武との3連戦(メットライフドーム)に負け越した。先発した高梨裕稔投手(27)がまたも背信投球。3点リードの2回に中村に同点14号3ランを浴びると、5回には外崎に決勝の14号3ランを献上した。これで12球団ワーストの18被本塁打で4戦連続で白星なし。西武にはゲーム差3・5に広げられた。

 いつか見た光景が、また広がった。高梨が2度の悪夢を見た。「完全に両方とも失投です」。打線が4点を奪って逆転した直後の2回が最初。先頭の森に右前打を許すと、続く外崎を四球で歩かせた。無死一、二塁。続く中村に初球の143キロ直球を左中間へ運ばれ、奪ったはずの試合の主導権をあっさりと手放した。

 2度目は5回だ。簡単に2死を奪った後だった。山川に左前打、森に四球を与えて2死一、二塁。迎えた外崎に、また初球をとらえられた。134キロのフォークが真ん中へ。勝ち越しの14号3ランを献上すると、肩を落として天を見上げた。「チームに申し訳ない。序盤に野手の方に点も取ってもらったのに、本当に申し訳ない」。何度も謝罪の言葉を繰り返した。

 被本塁打数は「18」となり、12球団ワーストになった。「ホークス戦の反省を生かし切れていない結果」。7月22日ソフトバンク戦でも失投が甘く入って2被本塁打。この日も、全く同じやられ方だった。「出た課題を、しっかりつぶしたい」。今季何度も出くわし、乗り越えられない難題を早く解決したい。

 栗山監督は高梨の投球内容を問われても、返答は一貫していた。「そういうことじゃなくて、全て含めていろんなことがある。監督の頭が機能していない。本当にすいません。切り替えもクソも、がむしゃらに一生懸命にやり続けるしかない」。現状で再調整のプランはなし。次の日曜日も高梨はマウンドに上がる。もう、うなだれる背番号39は、見たくない。【木下大輔】