日本ハムが西武16回戦(メットライフドーム)で痛恨の逆転負けを喫した。2点リードの8回に登板したマイケル・トンキン投手(28)が誤算だった。1点差に迫られて、なお2死二、三塁のピンチで西武金子侑に決勝の2点適時三塁打を浴びた。3連勝を目指した首位との直接対決で、手痛い黒星。再びゲーム差は5・5に広げられた。

 低めを狙ったトンキンのスライダーは、無情にもストライクゾーンに浮いた。1点リードの8回2死二、三塁。打者・金子侑にはじき返された打球は、前進守備から懸命に背走した左翼・近藤の頭上を抜け、逆転となる2点適時三塁打となった。「いろんなボールを織り交ぜながら、弱い打球か三振で打ち取ろうと思っていた」。開幕からセットアッパーや守護神としても奮闘してきた助っ人の思惑は、わずかな制球の乱れでかなわなかった。

 この日が、チーム最多44試合目の登板だった。1試合で2四球を与えるのも、3失点するのも、来日初となる珍しい乱調。栗山監督も、もちろん責めなかった。「これも全て野球。申し訳ない。勝ちきれないのは、誰が悪いのではなく、監督の責任」と、全てを背負った。

 試合序盤から主導権は両チームを行ったり来たりしていた。2回までに3点ビハインドとなるが、打線は西武投手陣から9安打を放ち、9四死球をもらうなど6回までに6得点。粘り強くチャンスを得点につなげ、勝利は目前に迫っていただけに、手痛い1敗だ。

 再び、首位西武とは5・5ゲーム差に広げられた。メットライフドーム名物の長い階段を上りながら、主将の中田も「悔しいなぁ」と、思わずつぶやいた。ただ、下は向いていられない。残り37試合、西武との直接対決は9試合も残っている。「しょうがない。明日、集中してやるしかない」と、中田は切り替えた。今日19日は勝ってカード勝ち越しを決め、逆転Vへのリスタートを切る。【木下大輔】