ソフトバンクが「勝負の1週間」を猛打でスタートさせた。静岡での日本ハム戦に18安打10得点で快勝し、6月交流戦での6連勝以来となる今季3度目の4連勝。貯金も6月29日以来、2カ月ぶりに5まで増やした。

 3番グラシアルが来日1号を含む2安打3打点で打線をけん引した。初回は1死二塁から中前へ鮮やかな先制タイムリー。1点リードの5回は、1死一塁で有原のカーブを左翼席に運ぶ来日1号2ランだ。

 「初めてのホームランはうれしいけど、これが最後ではない。これからももっと打ちたい」。故障の内川、デスパイネが不在の中で頼もしい。初回は4連打、5回は6連打と打線爆発の呼び水にもなった。「チーム一丸となって、もっと上位にいけるよう頑張っている」とクールにほほえんだ。

 この日からの2位日本ハム3連戦に始まり、週末は首位西武戦へと続く重要な6連戦。工藤監督は前日「この6連戦を乗り切らないと、見えるもの(優勝)も見えなくなる。勝つしかない。リリーフにも負担をかけると思う」と大逆転優勝への大号令をかけていた。指揮官はこの日の試合前、徳川家康が江戸時代に隠居した駿府城の周囲をランニングして「勝ち運」を蓄えた。

 グラシアルの1発に「相手にダメージを与えられた。みんなの気が引き締まる一撃」とたたえた。日本ハムとのゲーム差はついに1・5。好調な打線とともに、奇跡を目指して突き進む。【山本大地】