ソフトバンク中田賢一投手(36)が、26日の西武戦の延長11回から2イニングを無失点に抑え、サヨナラ勝利に貢献。今季5勝目を挙げ、プロ通算100勝とした。担当記者が宝刀フォークボールの秘密をたどった。

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最大の武器は、この日奪った5三振すべての決め球フォークボールだ。北九州市大時代に徳永政夫監督(62)からの独特の教えが生きている。カーブとスライダーだけでは大学でも勝てないと1年夏にフォークを教えられ、秋からはエースに。当時はプロ12球団だけでなくメジャーリーグのメッツも注目する逸材となった。

一般的に、フォークボールは人さし指と中指の間に挟んだボールを抜くように投げる。だが、中田の場合、手首をスナップさせないよう意識して投げている。30センチの円柱の筒の中へ、上から下にボールを通すように投げるイメージで指導された。中田は「手首を動かさずに投げるというのが僕にはすごく合った。1年の夏から投げ始めたが、スコン、スコンと落ちるようになった。フォークが一番速く覚えた変化球ですね。それが今でも勝負球になっている」と感謝する。

現在も北九州市大を指揮している徳永監督は「私の定年まであと4年。それまでは中田も続けてほしいですね」。教え子の活躍が、励みにもなっている。【ソフトバンク担当=石橋隆雄】

▼通算100勝=中田(ソフトバンク) 26日の西武18回戦(ヤフオクドーム)で今季5勝目を挙げて達成。プロ野球136人目。初勝利は中日時代の05年4月15日阪神1回戦(ナゴヤドーム)。