昨年のU18ワールドカップのメンバーだった高卒新人、ロッテ・ドラフト1位安田尚憲内野手(19)の現在地に潜入した。日本ハム清宮幸太郎内野手(19)と同期生ルーキーは、1歩1歩、1軍主力への道を進んでいる。

8月31日、ZOZOマリン。ロッテ安田は「4番三塁」でスタメン出場していた。ただし夜の日本ハム戦ではなく、昼間のイースタン・リーグ巨人戦。“親子ゲーム”の日だった。

初回に右前打を打って4打数1安打。8回、山口俊には144キロで投ゴロに打ち取られた。「2軍でも1軍で実績のある投手と対戦できる。どんどんぶつかって実力を付けたい」。1プレーに対する責任感は、デビューを機に増した。

8月10日のオリックス戦で初めて1軍公式戦に出た。井口監督は開幕前、オープン戦まで1軍同行したドラ1に「次に上がってくる時は、レギュラーを奪うつもりで」と伝えていた。7月にファーム月間MVPを獲得した安田を1軍の戦力として昇格。DHで6試合に先発させた。

結果は21打席で1安打。だがその1本は9回2死満塁からの同点打と、戦局上大きな意味を持った。それでも延長の末に負けた。「あらためて1勝の重みを、2軍以上に感じました」。

安田はイースタン巨人戦が終わっても帰らなかった。すぐさま主力に交ざり、ナイター前練習に参加。打ち終わるころ、三塁側ベンチ前では日本ハム清宮がウオーミングアップしていた。「高校から比べられてきた。同じ高卒ルーキーが上で活躍するのは良い刺激です。あまり話す機会はないけど、ライバルとしてやっている。負けられない」。

自覚は日々、強くなる。「去年までは一高校球児でしたけど、プロは野球が仕事。これが大学生なら勉強とかいろいろあると思いますが、今は休みの日も翌日の野球のことを考えて過ごす。それが特別じゃなく、当たり前になっているのが成長だと思います」。

1軍出場は大阪、札幌、仙台とすべてビジターだった。「ここマリンの、1軍でプレーすることをイメージしてずっとやってきた。9月にもう1度、月間MVPを取れるくらい活躍して、今季中にもう1回1軍に上がりたい」。安田が心待ちにするのは、本拠地ファンの声援だ。【鎌田良美】