日本ハムが首位との直接対決で打ち負け、連勝が3で止まった。西武18回戦(旭川)は初回に中田翔内野手(29)の25号2ランで先制。6回までは毎回安打で好機をつくり続けたが、追加点は5回に奪った1点のみ。14安打7得点と山賊打線が着実に加点した西武に逃げ切られた。ゲーム差を詰めるチャンスを逸し、再び6ゲーム差。逆転優勝へ向け痛い1敗を喫した。

痛恨の敗戦となったことは、試合後の栗山監督の言葉が物語っていた。「誰が、ということではない。勝ちきれなかったことが事実。これだけ大事なゲームを、みんなで(勝ちに)行って取れなかった。全て、こっちの責任」。3連勝と上げ潮ムードで臨んだ首位西武との直接対決初戦だったが、山賊打線の破壊力に屈して、はね返された。

試合序盤で主導権を握りきれなかった。初回に中田が左翼へ先制25号2ランを放った。主将は「風だった。何とか飛んでくれた」。試合中の午後7時57分には最大瞬間風速14・4メートルを記録した旭川。北上中だった台風21号の影響で吹き荒れた強風を味方に付けたアーチは、打線を勢いづけたはずだった。

中田は悔しそうに振り返った。「効果的な追加点を、もっと取りたかった」。2回も得点圏に走者を進めながら中島、西川が凡退で無得点。突き放すチャンスを逸すると3回に逆転を許した。その後も4回の同点機を逃し、5回にはリードを広げられる苦しい展開。7回にはダメ押しの2点を奪われて万事休す。終わってみれば、打ち負けた。

栗山監督は「(初回に中田の先制2ランで)先に行けたので何とかしないといけなかった。本当に、ごめんなさい」と、振り返った。試合前には旭川開催では恒例となるスタルヒン像を訪問。ドラマチックな逆転Vへの決意も新たにして臨んだ1戦も、結果は厳しかった。それでも、下は向けない。「まだまだ、ここからなので。しっかりやります」。西武とは6差で直接対決は7試合を残す。まだ、獅子の背中は見えている。【木下大輔】