鬼門で粘り腰だ。阪神ランディ・メッセンジャー投手(37)が7回を投げ4安打3失点でまとめた。日米通算100勝こそ消えたが、苦手としていたマツダスタジアムで価値ある力投。「確かについていないな、とは思うけど、それも野球だから仕方ない。自分の仕事を続けるだけだよ」とクールに振り返った。

修正力が光った。1点リードの3回に野間に打たれるなどして2失点。再び1点リードとしてもらった4回には西川に同点ソロを被弾した。シーソーゲームでカープ打線に押されていたが、熟練の経験でマウンド上で修正。コーナーへの制球を取り戻し、変化球も回を追うごとに精度が上がった。5回以降は安打を許さず6回にもらった一時の勝ち越し点を守って中継ぎ陣にバトンを渡した。

苦手とする球場だった。マツダスタジアムは今季初登板も、通算では6勝5敗。ここ5年間に限れば先発6試合で2勝3敗。28回2/3を投げて自責点は27で、防御率は8・48と信じられないような数字が並んでいた。広島に乗り込む前には金本監督も「流れが全部向こうに吹いているから嫌な球場ではある」と語っていた。エースはそれにのまれることなく、腕を振ってみせた。

日米通算100勝に王手をかけて4戦未勝利。それでもメッセンジャーは最後「これからも自分の仕事を続けるだけ」と、言い聞かせるように同じフレーズを使った。粘りと気迫はチームにも波及していくはずだ。【池本泰尚】