日本ハム中田翔内野手(29)が歴代のレジェンドに並んだ! 西武19回戦(旭川)の初回に、決勝点となる先制の左犠飛を放った。12球団断トツのシーズン11本目は78年王貞治(巨人)や98年清原和博(同)らに並ぶ歴代6位タイで、節目の通算50本で球団3位タイとなった。勝負強い主将が打線を引っ張り、投手陣も完封リレーで首位との直接対決に快勝した。
勝負どころを知る男の放った一打がチームに勝利を呼び込んだ。1回1死二、三塁で迎えた、中田の第1打席。西武の左腕榎田から、先制点を奪う左犠飛を放った。「昨日(4日は)逆転負けしているし、まずは先手を取りたかった。先制点はチームとして(大事と)言っていることなので、先制できて良かった」。両リーグ断トツ11本目の犠飛は、プロ通算50本目の節目でもあった。前夜は自身の初回アーチで2点先制しながら、逆転負け。2夜連続となる主将の先制パンチで、嫌なムードを吹き飛ばした。
チャンスに強い。まさに4番の働きだ。今季の得点圏打率は3割7厘で、不振だった昨季の1割9分5厘とは雲泥の差。積み上げた打点は97で、こちらも昨季の67を120試合目で大きく上回る。好機に回ってくることが多い主砲、チームをまとめる主将としての責任感で数字を積み上げてきた。常々「最低限(の仕事)」と話してきた犠飛を着実に量産できているから、チームメートの信頼も厚い。
この日、同郷広島県出身の広島・新井が今季限りでの引退を表明した。大先輩とは、地元広島の同じジムで、一緒に汗を流したこともある。尊敬する先輩の1人の大きな決断を「(引退表明は)信じがたいですね。まだまだ出来そうな気がしますけど」と残念がった。新井は現役選手では最多の通算犠飛79本を記録している。偉大な先輩の節目の日に、バットで1歩、近づいた。
栗山監督は「ここからは主役と言われる人が、やるしかない。最後に決められるのは(中田ら)主役だけ」と主将に全幅の信頼を寄せる。犠飛のシーズン記録11本は、78年の王、98年の清原(ともに巨人)らに肩を並べる、歴代6位タイ。通算50本で球団3位タイにも浮上した中田だが「よかったですね。勝てたので」と、自身の数字には言及せず結果への満足感だけを口にした。首位西武に再び5ゲーム差。逆転優勝へ、中田のバットがカギを握っている。【山崎純一】
▼日本ハム中田が西武19回戦の初回に先制の左犠飛を放った。今季11本目、通算50本目。昨季までは11年の8本が最多だった。日本ハムの選手の2桁犠飛は、13年小谷野栄一(現オリックス)の10本以来5年ぶり4人目。
▼日本ハムの中田は打点も1加えて97とし、2年ぶり4度目の100を目前とした。自身最多は16年の110で、120試合目の97打点はシーズン116打点ペース。