日本ハムは楽天にサヨナラ負けし、2位ソフトバンクとのゲーム差は、再び6に広がった。サヨナラ負けは、同球場の7月24日楽天戦以来、今季6度目。先発の村田が危険球で5回途中に退場するアクシデントも、救援陣が奮闘。延長10回2死一、二塁で6人目の左腕、藤岡が勝ち越しの右前適時打を許したが、ロースコアの接戦に持ち込んだ。

楽天田中に浮いた変化球を捉えられた藤岡は「高めに浮いちゃ行けないところで、抜けてしまった。今後はないようにしたい」と反省しきり。だが、栗山監督は「投手陣の状態は悪くない。投げた投手みんな、今日はよく投げてくれた」と、収穫も感じていた。

優勝の可能性が完全消滅し、かつクライマックス・シリーズ(CS)出場が確定して迎えた楽天2連戦。ポストシーズンの戦いを見据えて、疲労がたまっていたレギュラーを交代でベンチスタートとし、若く出場機会の少なかった選手を積極的に起用した。シーズン残り7試合の中で、指揮官は選手たちの調子を上げていく作業を重視する。「選手が試合で残していくものを、こちらは感じるだけ」。日本一を見据えた戦いは、すでに始まっている。【中島宙恵】