阪神が8日のヤクルト戦(神宮)に敗れ、野村監督時代の01年以来、17年ぶりの最下位が決定した。先発才木浩人投手(19)が2回6失点でKO。打線は終盤追い上げたが、1点及ばなかった。来季4年目となる金本知憲監督(50)は屈辱からの反撃を期す。

金本阪神にとって、つらく悲しい夜になった。必死にヤクルトに追いすがり、1点差まで迫ったが力尽きた。01年以来、17年ぶりのシーズン最下位決定。野村克也監督が指揮を執った時以来の屈辱にまみれた。敗戦後の三塁側ファウルゾーン。容赦なき怒声が金本監督の背中に突き刺さる。「カネモト!! いつ辞めるんだッ!!」。口を真一文字に結んで、責任を一身で背負うしかなかった。

5点を追う敗色濃厚の8回には4安打を集中し、4点を奪取。だがあと1歩、及ばなかった。金本監督は悪夢の最下位を直視。「それはね、やっぱり現実を受け止めないと。本当に申し訳ない気持ちですね、ファンには」。力なく謝罪するのが精いっぱいだった。指揮官にとっても、広島で現役だったプロ2年目の93年以来となる最下位。主力に成長してから初めての試練だった。2月、沖縄・宜野座キャンプの最終日に「3年間の中のチームでは、一番強い」と言い切ったが、結末は思いも寄らなかった。

金本監督は就任3年目の今季、新たに3年契約を結んでおり、すでに来年の続投も決定。谷本球団副社長兼球団本部長も試合後、あらためて「(続投方針は)変わりません」と明言した。全日程終了後の15日以降、大阪市内の電鉄本社で坂井信也オーナー(70=電鉄本社相談役)にシーズン終了報告をする。その際に、同オーナーから正式に続投を要請される形だ。

最後まで上位進出を目指したが10月の5連敗発進が誤算だった。140試合目で60勝78敗2分け。今季最多の借金は18に膨れた。悔しさ、もどかしさ、やるせなさ…。すべての思いを胸に秘め、歴史的失態から出直すしかない。【酒井俊作】

◆01年の阪神 野村監督3年目の01年は開幕20試合を10勝10敗の五分でスタートも、4月25日から7連敗で借金生活へ。最終的に57勝80敗3分け、勝率4割1分6厘で、吉田監督時代の98年から球団史上初の4年連続最下位となった。2桁勝利を挙げた投手がおらず、チーム打率2割4分3厘と90本塁打がリーグワースト。明るい話題は、ルーキー赤星が39盗塁をマークして新人王と盗塁王を獲得したことぐらい。オフに野村監督が退団し、星野新監督が誕生した。