巨人菅野智之投手(29)が、来季から背番号「18」を背負う。原辰徳監督(60)が25日、都内で行われたイベント「目黒シティラン」に出演後、明らかにした。2年連続沢村賞など球界のエースとして君臨する菅野が、満を持して「19」から変更となった。開幕投手を務めることも現段階で決定的。杉内の引退で空位となった伝統と栄光のエース番号を背負う右腕を先導に、5年ぶりのリーグ優勝へ突き進む。

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菅野の背中に偉人たちの番号が禅譲される。スタルヒンを皮切りに、中尾、藤田、堀内、桑田、杉内ら限られた面々しか背負うことが許されなかった「18」。原監督は、唯一無二のエースに成長した菅野に番号変更を通達していた。

原監督 18番をしっかり背負った状態で戦う。(巨人の18番の重さを)どういう風に本人が感じるか。ジャイアンツの長い歴史の中で、監督ではあるけどOBという立場で、18番の重さというのは感じている。

入団から6年間「19」を背負い、エースとしてマウンドに立ち続けた。今季は2年連続沢村賞に輝き、CS史上初のノーヒットノーランを達成した。エース番号を継承することに異論はない。それでも菅野は無形の重みを痛感している。原監督は、通達時に「いいんでしょうか?」と言われた菅野の第一声を明かした。「謙虚にそういう言葉だった。『いいんでしょうかって、それは智之しかいない』『分かりました』とね」。覚悟を共有した。

新「18」は来季も先陣を切る。指揮官は3月29日広島戦の開幕投手を、2年連続5度目の大役として指名する腹づもりだ。「追いつき、追い越せという選手が出てくることを願うし、そういう環境にしたい」と競争も希望しつつ「(菅野で)間違いないところ。本人には話していないが、そのつもりで宮本、水野(両投手コーチ)と私の中では決めている」と話した。

菅野は14日に、へんとうの手術を受け、体調の回復に努めている。原監督は「手術2日後にメールしたら、ちょっと苦しんでいた。『苦しみを越えたら、いいことがあるよ』と送ったよ」と笑った。ゲスト参加した「目黒シティラン」ではスターターとして号砲を鳴らし“エアグータッチ”を惜しげもなく連発した。19年は開幕戦で王者広島を敵地で撃破し、覇権奪回の号砲を鳴らす。「18」のスターター菅野と拳を激しく重ねる。【広重竜太郎】