阪神矢野監督が熟考する西に理解を示した。オリックスからFA宣言した通算74勝右腕の獲得を狙う阪神。1日でも早く仲間になってほしいのが本音だろうが、矢野監督ははやる気持ちを抑え西の胸中を思いやった。

「俺らはそう思うけど、向こうは悩む。悩むだけ悩んで、しっかり考えた方がとは思う。こっち側としたら、もちろん早くしてほしいというのはあるけどね」

阪神は、FA交渉が解禁された15日に交渉役の谷本球団副社長兼球団本部長が連絡し、16日昼に対面し「すごく好青年」とほれ込んだ。24日の2度目の交渉でも同副社長が「甲子園は投手有利」「右腕のリーダーになってほしい」と口説き文句を連発し、最大限の誠意を示していた。だが、資金力が潤沢なソフトバンクなども参戦している。争奪戦は終盤に入っているとみられるが、決断を前にして、この日は西自身が公式ブログで悩める心境を明かした。

野球人生の岐路。揺れ動く気持ちを理解する矢野監督は「こうやって権利を得て、いま悩むのは当たり前。それを俺らが早くしろとかは言えることじゃない」。野球人の先輩として、親身にコメントした。せかさず、じっくり待つのも誠意だ。