オリックス金子千尋投手(35)の退団が28日、決まった。長村裕之球団本部長(59)が大阪市内で取材に応じ「正式に今朝、自由契約の申し入れがあった。11月いっぱいをもって保留者名簿から外します。今まで交渉していたんですけど、そういうことです」と説明。11月末にNPBへ提出される保留者名簿から外れる。

金子は今季で4年の大型契約が終了。来季の年俸は5億円減の1億円を提示され、今後のチームの方向性について、話し合いを重ねてきた。25日のファン感謝イベント参加後は、自由契約について「そのうち分かることだと思います。自分の中では決まっています」と話していた。

球団側は自由契約になった場合でも再契約による残留を容認する方針だが、他球団との争奪戦に発展する可能性もある。楽天石井GMは「先発の席が埋まるというのは良いと思います。チームにどう貢献できる投手なのか、うちにフィットするのか、どういうプラスがあるのかを調べて。良かったら考えます」と獲得に対して前向きな姿勢を示していた。この日、大阪市内で「応援感謝の会」に出席した西村監督は「痛いかもしれないけど、そこばかり考えても仕方がない。いなくなったとしてもチームをどうまとめていくかが、自分の仕事」と前を向いた。

今季はケガもあって4勝7敗、防御率3・87と苦しんだが、長きにわたりエースとしてチームを支えてきた実績は誰もが認める。14年には沢村賞を受賞した通算120勝投手が、大きな節目を迎えた。(金額は推定)