覇権奪回へ向けた大改革が着々と進んでいる。楽天は29日、菊池保則投手(29)と広島福井優也投手(30)のトレードが合意に達したと発表した。21日には、国内フリーエージェント(FA)権を行使した西武浅村の獲得を発表したばかり。積極補強が止まらない。

巨人からは秋田生まれ、仙台育ちの橋本外野手を金銭トレードで獲得。ヤクルトを戦力外となった仙台で生まれ育った由規投手は、育成契約での入団が決まった。“東北人”の加入も決まり、地元密着を掲げるチームにとっても大きな存在となる。

球団は福井を高く評価している。ここまでプロ通算29勝36敗、1年目に8勝、15年には9勝を挙げた右腕について石井GMは「先発を厚くしたいと思っていた。ここまでウエスタン・リーグでも成績を残しているし、お互いに求められた良いトレードだと思っている」と話した。

調査を進めているオリックスを自由契約となった金子について、同GMは「やめたとかはないけど、若い子が出てくる可能性があるシーズン。2年後とか、その先を考えていくところ」とし、同じく米大リーグ・マリナーズを退団した元楽天の岩隈についても「もちろん失礼のない条件を出しているが、どういう風にチョイスするかは向こう次第。岸と則本がいる中、その次が出てこない。1人出させてあげたいところで、どうしようかなと思います」と話した。

昨季終盤から「若返り」を掲げ、これまでに17選手の戦力外を決断。新GMの下で、チーム再建、戦力の見直しが徹底的に行われている。

◆福井優也(ふくい・ゆうや)1988年(昭63)2月8日、岡山県生まれ。済美のエースとして甲子園で2年春優勝、同夏は準優勝。05年高校生ドラフトで巨人に4巡目指名を受けたが拒否。1浪の末、早大入学。リーグ戦通算11勝を挙げ、10年ドラフトでは早大から斎藤佑樹(日本ハム)大石達也(西武)とともに1位で指名された。11年4月17日巨人戦で初登板初先発初勝利。178センチ、85キロ。右投げ右打ち。