日本ハム栗山英樹監督(57)が11月30日、静岡・藤枝市内で講演を行い、ドラフト1位の金足農・吉田輝星投手(17)ら新人8選手へ宿題を課したことを明かした。新入団発表が行われた同23日に、とある本を新人全選手へ配布。「その本に自分で人生の約束を書いて持って来てくれ」と指令を出していた。苦しい時に立ち戻れる初心を明確にすることが目的。一流選手へ育成するための栗山流采配を早くも実行していた。

栗山監督が吉田輝ら新人選手の育成を、早くも着手していた。藤枝市で行われた講演の中盤に明かした。「実は今年、新入団発表の時に吉田輝星君含めて、本を渡した。題名は勘弁してほしいですけど。その本に自分で人生の約束を書いて下さい、と。それを持って来てくれと言った」。本のタイトルは伏せたが、配布したのは複数の人生を取り上げた短編集。読了後に、プロ野球選手として貫くポリシー=人生の約束を本の余白ページに記す。それを入寮時に持ち込むことを、宿題として課していた。

新入団発表時に抱いた大志を明確にさせる目的がある。栗山監督は聴衆へ向けて熱い口調で説明した。「自分との約束を守らない奴ほど、くだらない奴はいないというのが一番のベースになっていますよね。一流になっていくスポーツ選手を見ると、ほとんどはそういう気概を持っている」。

自分で書いた後は両親や高校・大学の監督などの恩師にも書いてもらうよう指示を出した。それぞれに約束した初心を守っていれば、プロ野球の世界で大成する道が開けるはず。必ず訪れる苦しい時にも原点を思い返せるモノを持っていてほしいという栗山監督の親心でもある。

講演ではメジャーで新人王を獲得した大谷の話題にも触れ、生活のベースが野球からぶれなかったからこそ、成長をし続けたと力説した。新人選手も、そうあってほしい。来年1月の入寮時には指揮官も一筆添える予定で「自分との約束を守ってほしい」。切なる願いを宿題に込めた。【木下大輔】