1通の手紙が、復興への絆を生んだ。日本ハム栗山英樹監督(57)が1日、北海道胆振東部地震で被害の大きかった安平町や厚真町などを訪れ、来季リーグ優勝へ気持ちを新たにした。

厚真町の厚真中央小では学習発表会を観覧、子どもたちを激励した。きっかけは、震災後に池田健人校長(51)から届いた分厚い手紙だ。発表会への参加をお願いする内容で「『夢を正夢にしてください』と。何枚にもわたる毛筆の素晴らしい手紙だった」と栗山監督。「自分が力になれるのなら」と初の訪問を決めた。

同町では大規模な土砂崩れで、多くの命が失われた。むき出しの山肌はそのまま、通行止めも多い。むかわ町では野球少年らと交流し「吉田投手をドラフト1位で指名したのはなぜですか」「来季注目している選手は」などなど、鋭い質問にタジタジ。「いつ優勝しますか」の問いには「来年、絶対に勝ちます」と語気を強め「自分には何ができるかを、改めて感じる場所だった」と使命に胸を熱くした。【中島宙恵】