“新球”で優勝へ導く! オリックス岸田護投手(37)が約10年ぶりにフォークボールを復活させるプランを明かした。

5日、京都・久御山町内のNTT硬式野球部グラウンドで、元同僚のダイヤモンドバックス平野、阪神秋山らの自主トレを公開。自慢のフォークを引っさげ、メジャー1年目で75試合に登板した平野に触発されたのか、若手時代に投げていた過去の持ち球が頭をもたげた。

「昔投げていたけど、落ちなかったからやめた。今年はその落ちないフォークを投げようかなと。カウントとりみたいな。1球カウントをとれるだけで違う」

かつてともに勝利の方程式を担った平野のフォークについて、岸田は「魔球のように落ちていた。(メジャーは)ボールの質とか空気の乾き具合で変わる。こっちでは参考にならない」と説明。「投げ方も真逆くらい違う」というが、軌道が揺れる自己流フォークで再起を期すつもり。この日はランニングやキャッチボールなどが中心で、本格的な調整はこれからだ。

プロ14年の目標は「中継ぎなら50試合は投げたい」と力を込めて掲げた。昨季は17試合で1ホールド、防御率2・35だった。「ファンの方とかに『今年頑張りましたね』って言われるくらい俺って投げてない人なんや…ってなった。いっぱい試合で投げられるようにアピールして、結果出して競争に入っていかないと。なんでもできるようにはしておきたい」。2年ぶりの先発すらも視野に入れた。

チーム最年長で迎えるシーズン。「まずは優勝。もうそんなに長く野球はできない。オリックスで優勝したい。それがかなったら引退ですわ」。並々ならぬ覚悟を胸に、ベテラン右腕が体を張って引っ張る。【古財稜明】