無事これ名馬-。DeNA三浦大輔1軍投手コーチ(45)が13日、ベイスターズ球場での新人合同自主トレを視察した。

初ブルペンで20球ずつ立ち投げを行ったドラフト1位上茶谷大河投手(22=東洋大)同3位大貫晋一投手(24=新日鉄住金鹿島)同4位の勝又温史投手(18=日大鶴ケ丘)の投球を見守り「健康であれば問題ないかなと思います」。短い言葉に自分らしさを詰め込んだ。

大きな故障もなく、プロ25年間を走りぬいたハマの番長。健康こそ、プロ野球選手の最も重要な資質であると、身をもって知っている。「いいものを持って(DeNAに)入って来ていると思うので。今は緊張感とかもあって、張り切る気持ちもあると思うけど、オーバーワークにだけならないように。けがをしないように。コンディションが大事。問題がなければいい」。平凡に聞こえても重みが違ってくる。

18歳の勝又は、有り余る元気を見せつけた。憧れの三浦コーチを前に「いいところ見せたいと思って、思いっきり投げました。明日は座った捕手を相手に投げます」と2日連続でブルペン入りする。仮契約時、将来の目標に「ハマの剛腕」を掲げ、入寮時にウクレレを持参し「男の勲章」を弾き語った太陽のような男。「今まで特にけがをしたことがない。体が柔らかいので、そこが故障防止につながっているかも。1年間健康で投げたい」と同コーチの背中を追う。

3連休の中日。ベイスターズ球場はにぎわった。ファンの多くが新任コーチの一挙手一投足に視線を送ったが、主役はあくまで選手。報道陣から新人投手の状態を問われると「トレーニングコーチが付いて、メニューをこなしているので」と軽くいなした。縁の下から頑健な主役を育て上げる。【栗田尚樹】