「出た出たデータマン」と題し、18年の阪神をデータで読み解き、19年シーズンを展望します。

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上積みの気配をプンプン漂わせ、ガルシアが虎へとやって来る。昨季は中日で13勝、防御率2・99と上々の日本デビューを果たした。来日1年目に13勝以上&防御率3点未満の外国人投手は、15年の広島ジョンソン、巨人マイコラス以来11人目。過去10人のうち、8人が日本で30勝以上をマークと、確かな結果を残している。ガルシアは29歳。成長の余地は多分にある。

阪神にとっては異色の補強だ。国内他球団でのプレーを経て入団した外国人投手は、ガルシアが3人目。10年入団のスタンリッジは、ソフトバンクでの2年間で計7勝。日本ハムで15年に10勝の経験があるメンドーサは、17年にウエーバー公示され加入したものの、同年の移籍前は3勝と足踏みしていた。前年にNPB他球団で2桁勝利を記録した外国人の獲得は、球団史上初だ。また、前述の2人はいずれもシーズン途中の入団だった。開幕から在籍する国内移籍助っ人投手も、ガルシアが阪神初となる。実績と勢いを兼ね備えた、貴重な人材を得た。

走者は出すが、長打は許さない。ガルシアの投球からは、そんな姿が浮かび上がる。昨季セ・リーグの規定投球回到達者のうち、被打率3割2分1厘は7位。1イニングに許した走者数をはかるセイバーメトリクスWHIP(被安打+与四球を投球回で割る)1・29も、セではワースト2位だ。ところが被長打率3割3分8厘で、こちらは菅野(巨人)3割2分8厘についでセ2位。広い甲子園で持ち味の粘りを見せられれば、名助っ人への道は開けていきそうだ。【記録室・高野勲】