阪神矢野燿大監督(50)が21日、星野イズムの継承を誓った。大阪市内のホテルで行われた激励パーティーに出席。昨年1月に亡くなった星野仙一氏(享年70)の私的後援会「大仙会」が中心となって開かれた激励会で、発起人の1人である福井俊彦元日銀総裁ら330人が出席。星野氏の遺族から形見分けされたバッチとネクタイを身につけた指揮官は決意を新たにした。

「(星野さんは)すごくファンの方を大事にしていた。勝負に対してはすごく勝ちにこだわって、スタッフや裏方さんへの気遣いが星野さんにはあった」。中日の監督だった星野氏のもとで、プロ野球人生をスタートさせた。97年にトレードで阪神へ放出された時の監督も星野氏。阪神で03年に初めて優勝を経験させてくれたのも、また星野氏だった。師の教えが、野球人としての礎を築いていることは間違いない。

今日22日は星野氏が生きていれば72歳の誕生日。「背中押してくれると思う。星野イズムっていうのは俺の中にあるのでね」と引き締めた。星野氏は楽天監督や副会長時代も阪神を気に掛けてきただけに、自身が監督となった今、思うことがある。「楽天と阪神で日本シリーズやろうぜっていつも言っていた。日本シリーズはすべての人に対する恩返し、星野さんに対する恩返しにもなる」。天国から聞こえる「テル、頑張れ!」という激励が、指揮官を奮い立たせる。【桝井聡】