【スコッツデール(米アリゾナ州)29日(日本時間30日)=木下大輔、田中彩友美】日本ハム清宮幸太郎内野手(19)が“米国デビュー”した。合同自主トレ初日、アリゾナでは初めてとなるフリー打撃を行い、28スイングで7本の柵越え。バックスクリーン左を越える推定飛距離“160メートル”の特大弾も放った。昨年のキャンプは右手親指の負傷で、米国でのフリー打撃を回避。今年も右手首炎症からの復帰途上だが、状態が上がっていることを軽快なスイングで示した。

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青空の下、大粒の汗を流し快音を響かせた。清宮が、待ちに待った野球の本場・米国でのフリー打撃を敢行。「気持ち良いです」。昨年は右手親指を痛めており、キャンプ初日から別メニュー調整。待望の“アリゾナ初”打撃は、28スイングで7本の柵越えを披露し、最長不倒はバックスクリーン左を軽々と越えた。乾燥地帯特有の砂地で弾み、転がり、ボールは打席から160メートルほど離れた場外に落ちていた。

「6~7割」の力加減でも、持ち前の一振りで圧倒した。乾燥するアリゾナは、バットやボールの水分が蒸発し、反発力が上がるため打球が飛びやすいとされている。清宮も「やっぱり飛ぶかなと思います。(状態が)どれくらいかというのも分かるので良かった」。右手首の炎症を抱え、自然と力みのないスイングになっていることも、アーチ連発の後押しになったのかも知れない。トレーナーが付き添い慎重に行われたが、「もうちょっと振れる」と回復ぶりを強調した。

遠目で見守っていた栗山監督は「気になることもあるんだけど、打っている感じとしては悪くないんだよ」とうなずき、「やっぱり野球をやらなきゃダメでしょ。こんなに良いところまで来て」と、環境がもたらす好影響を期待した。

全体練習に参加しての本格的なキャンプは、今年が初めてになる。この日は一塁での守備練習もこなし、最後は1人、ランニングで汗を流して自主トレは終了。「グラウンドでなかなか(練習を)出来ていなかったので、その辺りを慣れることが出来れば」。決意の詰まった2年目が、もうすぐ始まる。