日本ハム王柏融外野手(25)が母国語の声援に導かれ、移籍後の初実戦で初安打を放った。9日(日本時間10日)、米アリゾナで行われた紅白戦に「3番左翼」で先発出場。1回2死で迎えた第1打席に、味方ベンチから「加油!(ジャーヨ=頑張れ)」の声援が飛んできた。「急に言ってきたので…」と驚きながらも、発奮した。

先発西村の直球143キロを、逆方向へはじき返し左翼線への安打。打球が速く、二塁打にはならなかったが、チーム初安打にもなった。「(応援に)気持ちが楽になりました」。聞き慣れた「加油」の声にリラックスし、結果を残した。3回の第2打席は、冷静にフルカウントまで見極め、四球を選んだ。1安打1四球で初実戦を終えた。

クールな表情の裏で、熱く燃えていた。「本当に楽しみにしてきた」という新天地での初実戦。キャンプ中は積極的に特打でバットを振り、打撃感覚を養ってきた。台湾時代はシーズン開幕に合わせてきた調整を、急ピッチで状態を上げようと努めてきた。「結果が安打だったのでホッとしている。この結果を踏まえて、自信にしていきたい」と表情を緩めた。

次の実戦となる11日(日本時間12日)の韓国NC戦(スコッツデール)に向け、気持ちを高めている。「紅白戦で見つけた課題を、またクリアしていきたい。結果が出たのは良かったんですけど、投手の球筋を見ていきたい」。台湾で通算打率3割8分6厘をマークした愛称・大王の本領発揮は、これからだ。

▽日本ハム栗山監督の話 (王柏融について)「知らない投手と対戦する時に逆方向に打たないと安打にならないけど、普通の打者といい打者の差はファウルになるかならないか。ファウルになってもいいけど、打てる球が来れば安打にした方がいい。これが4割以上打つ打者なのかと、こちらも勉強になった」