楽天は期待の新戦力が躍動した。4番候補の新外国人ジャバリ・ブラッシュ外野手(29=エンゼルス)が、左翼後方のネットに突き刺す弾丸ソロで「来日初アーチ」。ハイレベルな競争で昨季最下位から巻き返す。

ブラッシュが、ロッテ有吉の140キロを粉砕した。左翼後方の防球ネットに突き刺さる125メートル弾を「3試合(6打席)目で1本出て良かった」と涼しい顔で振り返ったが、左翼を守る菅野が1歩も動けない。バットのヘッドを投手側に傾け、両足をピッタリ閉じた状態から左足を上げて踏み込む独特の打撃フォームにざわついていた観客も、打球の速さに息をのんだ。

以前はスタンスを広くした構えから、ノーステップ気味に打っていた。2年前のメキシコのウインターリーグ中、打球の角度を上げるため、左足の使い方を模索する中でたどり着いた。立ち姿は不安定に映るが「これで打撃のバランスが良くなった。モデルはいない。自分の中で進化を求めた結果だ」と、唯一無二のスタイルに胸を張る。

昨季エンゼルスで同僚だった大谷との会話を通じて、変化球が多いとされる日本野球適応のヒントを得てきた。大リーグはようやくキャンプインする時期。「練習のボリュームが違う。驚きだけど、これも勉強」と日米の違いにもポジティブに向き合う。「本塁打は(無理に)狙わない。自分の一番大切な仕事はランナーをかえす打撃。そこは間違えないようにしたい」。昨季打点王の浅村とともに、愛称「JB」が新生楽天打線の中核を担う。

◆ジャバリ・ブラッシュ 1989年7月4日生まれ。米領バージン諸島セントトーマス島出身。10年ドラフト8巡目指名でマリナーズ入りし、15年オフにパドレスに移籍、16年4月にメジャーデビュー。大リーグ通算3年で123試合、打率1割8分6厘、8本塁打、22打点。3A通算では打率2割7分4厘、94本塁打、244打点。196センチ、106キロ。右投げ右打ち。