阪神藤浪晋太郎投手(24)が開幕ローテーション枠入りをかけ、12日のオープン戦・中日戦(ナゴヤドーム)に先発する。メッセンジャーに岩貞、西、ガルシアの順番で開幕4戦目までを戦うと予想され、藤浪は残る先発5、6番手を秋山、青柳、浜地らと争う。矢野監督が「1回1回が勝負になる」と言う開幕先発枠奪取に向け「(求めるのは)結果。それに尽きる」と、覚悟を持ってナゴヤドームのマウンドに上がる。

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チームは陣容を、藤浪は覚悟を固めるときが来た。必ず結果を出す。

藤浪 より少ない点数で。自分がどう判断するかということより、首脳陣にいい判断をしてもらえるのが結果だと思うので。自分の中で納得がいっても、首脳陣が使えないなと思ったらそれは使ってもらえないですし。

藤浪は使える! その判断が、欲しい。

前回登板で、復活の道のりに光が差した。制球難をきっかけに失点する悪循環に苦しんできたが、2日のソフトバンク戦は2回2安打で無四死球無失点。走者がいない場面は振りかぶらずに投げ、球を離す位置はこれまでより下げた。ただスリークオーターに“転向”するつもりはない。

藤浪 (右腕を)上げる下げるとかは、自分としては重きを置いてないところなので。極端なオーバースローになったりサイドスローになったりするわけじゃないので。下げてる感覚、というだけの話です。

追求するのは投球フォームを固めることではなく、一番いい形で投げられる方法。試合ごとに右腕の出やすい位置を確かめ、リリースポイントを探る。

「めちゃめちゃ熾烈(しれつ)」と矢野監督が言う開幕ローテーション争い。「1回1回が勝負になる。1回1回の中で判断する。1回1回の登板で俺らは評価せざるを得ない部分も出てくるから」と一番勝負をにらむ。

中日との前回対戦(2月24日、北谷)は4回4安打6四死球3失点だった。京田が侍ジャパンから戻り、2軍で調整を続けていた藤井、松井雅も1軍に合流。12日は、開幕に近い打線が組まれる可能性がある。その相手を抑えても、失点しても、勝てる投球内容かどうかを首脳陣に見極められる。気合と覚悟で、藤浪が開幕ローテーション枠を取りに行く。【堀まどか】