楽天山下斐紹捕手(26)が、プロ初実戦登板で注目を集めた日本ハム吉田輝星投手(18=金足農)から中前打を放ち、同じ高卒ドラフト1位の先輩として意地を見せた。「5番一塁」で先発出場し、144キロ直球を中前へはじき返した。注目ルーキーから一矢報いた会心の一打は、開幕1軍奪取に向けた起爆剤となる。

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山下が吉田輝目当てに集まった敵地1306人に、ため息をつかせた。7回裏1死一塁。カウント1-2と追い込まれたが、「その前の直球を2つファウルにしたことが、センターに打ち返せたことにつながった」とフルスイング。低めをついた144キロ直球を、中前にはじき返した。1、2打席目は納得いかない内容だっただけに、「ピッチャーも良かったですから、うれしいですね。変化球もあるかなと思ったが、自分の打撃ができて良かった」。注目の高卒ルーキーを攻略し、してやったりの表情を見せた。

143キロの初球から甲子園でスターとなった輝きは感じていた。「球というよりは投球術がすごいと思った。間の取り方、首の使い方、クイックにしても、ルーキーっぽくない」。代走の南要輔内野手(24)が、けん制死となりそうな場面にも衝撃を受けた。この日最速は146キロだったが「高めの真っすぐは、すごく速く感じました」と持ち味の直球もたたえた。

自身も習志野(千葉)から10年ドラフト1位でソフトバンクに入団した。出番に恵まれず、楽天に移籍した昨季は自身最多の104打席、19安打。捕手は激戦だが、開幕1軍や定位置奪取も不可能ではない。同じリーグのため、今後も吉田輝が楽天打線に襲いかかる可能性は十分にある。第1号安打を放った「輝星キラー」として、左のパワフル打撃で暴れまくる。【鎌田直秀】