直球の質はソフトバンク千賀級だ。日本ハムのドラフト1位吉田輝星投手(18=金足農)が12日、イースタン・リーグ春季教育リーグの楽天戦(鎌ケ谷)で、対外試合に初登板。7回から打者4人に1安打1四球も無失点に抑えた。

自慢の直球で三振を奪うなど、最速は146キロを記録。楽天橋本のバットをへし折り、併殺も奪った。

   ◇   ◇   ◇

吉田輝は、自慢の直球で真っ向勝負を挑んだ。7回無死一塁。先頭に四球を許し、迎えた岩見に全球直球。「直球でファウルをとれていたし、直球で打たれたらしょうがないなというイメージで勝負していこう」と最速の高め146キロで空振り三振。続く山下に中前安打され、迎えた1死一、二塁。代打橋本に対し、厳しく内角を攻めた。「しっかり回転がかかっていて、キレのある球だから打ち取れた」。143キロの直球でバットをへし折り、二ゴロ併殺打に仕留めた。

全20球のうち18球が直球だった。プロ11年目の橋本を「質感は将来的には千賀さんに似ているのかなと思う。真っすぐで勝負していける投手の真っすぐかなと思った」とうならせた。

高校1年の初実戦でも直球攻めを演じていた。「ストレートの質には自信あったんで。スライダーは2、3球だけで、あとは全部真っすぐでした」。夏の大会前、県外の高校との試合で2回ほどを投げ、全員から三振を奪ったことがある。その試合以降Aチームの一員として、甲子園準優勝投手へと駆け上がった。直球勝負が原点だ。

次回登板は19日、イースタン・リーグのヤクルト戦(鎌ケ谷)で2回を予定している。「先頭打者の初球空振りと、三振を取った時の高めの球は、球速以上に自分の求めているキレを感じられた。試合慣れしてきたと思う」。初の対外試合で自信をつけ、第2段階へ進む。【山崎純一】

▽日本ハム栗山監督(対外試合デビューした吉田輝に)「何をすべきかは理解しているはず。でっかい男になりなさい、小手先で抑えるようにはなるなと、本人には伝えたので」

▽日本ハム荒木2軍監督兼投手コーチ(吉田輝の初の対外試合に)「球はもっとこれから上がってくると思う。だんだんよくなってきているのかなという感じを受けた」

<吉田輝星の全球>

3番ヒメネス

 1球目 外角真ん中直球141キロ

 2球目 外角低め直球144キロ

 3球目 外角高め直球144キロ

 4球目 真ん中低めツーシーム128キロ

 5球目 外角低め直球146キロ

 6球目 真ん中高め直球146キロ

 7球目 外角低め直球146キロ

4番岩見

 1球目 外角低め直球141キロ

 2球目 外角真ん中直球143キロ

 3球目 外角真ん中直球146キロ

 4球目 外角低め直球144キロ

 5球目 外角高め直球146キロ

 6球目 内角高め直球146キロ

5番山下

 1球目 外角高め直球143キロ

 2球目 内角低め直球144キロ

 3球目 内角低め直球141キロ

 4球目 内角高め直球144キロ

6番橋本

 1球目 外角高め直球141キロ

 2球目 内角高めツーシーム130キロ

 3球目 内角低め直球143キロ