マイナスデビューだ。日本ハムのドラフト1位吉田輝星投手（18＝金足農）が19日、デビュー戦で自らへ厳しい採点をつけた。イースタン・リーグのヤクルト戦（鎌ケ谷）で公式戦に初登板。5回から2番手で登板し、2イニングで打者11人49球を投げ、2安打1失点3四球。直球の最速は146キロ。制球に苦しみ、持ち味を発揮できなかった。

いつもは見せる笑顔も、一切見せなかった。声のトーンは低いままだった。「マイナスですね。本当に評価は低いです。あんまりいい時間ではなかった。課題がたくさん見つかった」。

もがいた。2番手でマウンドに上がった5回、先頭の奥村を4球連続のボールで歩かせた。走者を出しながらもなんとか無失点に切り抜けたが、6回も安定しなかった。先頭の井野に直球を続けたがファウルで粘られ、四球を献上。太田にはフルカウントから直球勝負も、マウンド上でバランスを崩した。低めに大きく外れて、またも四球。その後に満塁のピンチを招き、犠飛で1点を失った。フォームが定まらず、気迫ある投球も影を潜める悪循環。「フォームが悪かった。直球しか投げる球がなくて、打者の打ち損じを待つ状態だった」と反省した。

同期の柿木は23日イースタン・リーグの楽天戦（鎌ケ谷）での先発が決定した。一方、吉田輝は26日、同リーグのロッテ戦（浦和）に中継ぎで2回を予定する。昨夏の甲子園決勝以来、切磋琢磨（せっさたくま）してきたライバルが今は1歩先を歩く。「すぐ切り替えてダメだったところを今日のうちに見つけて、明日からその課題を1個1個、克服していければいいかなと思う」。この経験を生かし、前に進んで見せる。【山崎純一】

＜日本ハム首脳陣コメント＞

栗山監督（吉田輝の投球について）「自分でやろうとしていることは見えた。見るたびに変わるのはいいこと。方向性はしっかり出ている」

荒木2軍監督兼投手コーチ（吉田輝の投球について）「だいぶ苦しんでいたという感じ。今日もいい球もあった。その球を数多く投げられるようにしてもらいたい」

加藤2軍投手コーチ（吉田輝の投球について）「今は失敗してもいい。強い真っすぐをストライクゾーンに投げてファウルをとること」