来日2年目の阪神エフレン・ナバーロ内野手(32)が来日初の1試合2本塁打で開幕スタメンに前進だ。

オフに鍛え上げたパワーを見せつけたのは1回だ。大山の3ランの余韻が残る中、星の速球を強振。緩いフォローの風に乗って、黄色い左翼席に吸い込まれた。

お祭り騒ぎの三塁側ベンチ。右腕を突き上げて力こぶを作り、指さしたのは矢野監督だ。パワーアップをたたえるジェスチャーにN砲も笑う。3回も再び星の速球をとらえて2ラン。2打席連続アーチに指揮官も胸をなでおろした。

「(投手の)右左をそんなに気にしない。対応能力もある打者。そこに長打力が出てくれば、より心強い打者になってくれると思う。結果が出ると、こっちとしても安心できる。心強い打撃を見せてくれた」

ナバーロの覚醒は、チームにとって収穫だろう。大砲候補の新外国人マルテが16日に右ふくらはぎの張りを訴え、前日19日からの関東遠征3試合を欠場。開幕を万全に迎えるのが難しい状況だが、ライバル不在のチャンスを生かした。2月の沖縄・宜野座キャンプから外国人枠も競争させる方針。開幕メンバーの決定はまだ先になるが、指揮官に強烈な存在感を示した。

「勝負を決める打撃をできる打者という印象はもともとある。勝負強くて、さらに長打力という形になって、あの打順にいれば、すごく相手にとっては嫌な打者になっていくと思う。このままいってくれたらな」

昨季途中に入団して3本塁打。アベレージヒッターの印象だが、長打力アップを目指して筋力強化に明け暮れた。両腕や胸板はたくましさを増し、成果を示した。ナバーロは言う。「センターから逆方向にと思って取り組んできた。それができたのはよかった。自分としても、力強くなっている」。もはや、代役にとどまらない。イメージチェンジすれば、助っ人として脅威が増す。【酒井俊作】