虎の超人がイチ流トレで新たな進化を遂げた。阪神糸井嘉男外野手(37)が日刊スポーツのインタビューで開幕直前の熱い思いを語った。現役引退を発表したマリナーズのイチロー外野手(45)が実践する「初動負荷トレーニング」を今年1月から導入。シーズンをフルに戦える19年型ボディーを作り上げた。進化した超人は昨季チームが大きく負け越した甲子園での逆襲を宣言。聖地の虎党に笑顔を届ける。【取材・構成=桝井聡】

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-先日、イチローが引退を発表

糸井 (引退会見は)全部見た。Abema TV(インターネットテレビ)で。全部見た!。

-寂しさは

糸井 そりゃやっぱり寂しいですね。

-オリックスに移籍した13年1月に初対面し、一緒に練習も

糸井 何回かやらせてもらいましたし、こっちが野球少年のような気持ちになる。

-同じ右投げ左打ちの外野手

糸井 ましてやオリックスで僕もライトを守らせてもらってたので、僕が語れるようなことじゃないですけど、ウルっときました。

-イチローのすごさは

糸井 やっぱり野球の最高峰であれだけの、僕らには想像つかないような数字、記録を出してこられて、神様ですね。スーパースター。世界でも認められることを成し遂げた。カッコイイ。

-2月のキャンプは走り込み、振り込みの量が多かった

糸井 走るというのは基本になると思う。打つのも、投げるのも、守るにしても。(古傷の)膝のこともあってこれまで出来なかったこともあったけど、今年はキャンプから自分で課したメニューをやるようにはしていた。もちろん、(ウエート)トレーニングもやっていましたけど、走ることを徹底的にやろうと。

-イチローが実践する初動負荷トレーニングも新たに取り入れた

糸井 1月に沖縄の自主トレから帰って、取り入れてみようかな、と。去年はお尻の部分とかの張り感が全然抜けない時期があった。(6月に死球で)足を骨折して、かばっていたというのもあったかもしれない。やってみたら股関節周りがスムーズで。関西と沖縄でもキャンプ中に何度か行きました。なんかいいですね。体の張り感も残らないイメージ。毎日は無理だと思うけど、シーズン中も休み前とか、(ナイターの)朝とか、行こうかなと。

-3月29日ヤクルト戦(京セラドーム大阪)でいよいよシーズンが開幕する

糸井 やっぱり、毎年目標を掲げてオフから自主トレからずっとやってきている。それをシーズンで出さなアカン。そのスタートという意味では緊張もあるし、不安もある。やっぱりみんないいスタート切りたいと思う。そこがすべてじゃないけど、やっぱり緊張する。

-オープン戦では8試合で15打数7安打、1本塁打、7打点、打率4割6分7厘。さすがの仕上がり

糸井 体さえ大丈夫なら、やれるというのはなんとな~くあります!(笑い)。

-開幕戦は3番右翼

糸井 正直、何番でも。去年は思ってもない4番とか打たせてもらってね。何番でもチームに貢献するというのは変わらない。そうやって主軸を担わせてもらうということは、やりがいもある。

-昨季は甲子園で21勝39敗2分け。本拠地での球団ワーストの借金18

糸井 去年やってて甲子園で負けが込んで、みんな硬くなって悪い連鎖でまた負けて。それを繰り返した。いつも球場から帰るときに(車から)ファンの人の顔を見る。寂しそうだった。ホームゲームで勝たないと。やっぱり甲子園で。甲子園の試合終わってファンの人も2次会とかやるでしょ? そこでもいい気分になってほしい。やっぱ甲子園で勝つと2勝くらいの気持ちになる。ハッハッハッ。

-あらためて今シーズンの目標

糸井 個人的には(日本シリーズがある)10月最後まで戦えるようにしたい。そのなかでも成績を上げるというのが目標ですよね。もちろん、チームは、ゆう! しょう!。

-イチロートレで将来は45歳まで現役

糸井 それは無理!(笑い)。