平成最後の「東京ドーム・伝統の一戦」をドラ1が飾る。巨人のドラフト1位高橋優貴投手(22)が、令和へと時代をまたぐ活躍を誓った。1日、川崎市のジャイアンツ球場で練習。初先発する4日阪神戦へ準備を整えた。

球団の大卒新人が初登板初先発で白星を挙げれば、60年青木宥明以来59年ぶり。幼少期にファンだった阪神相手に、上原、菅野らもできなかった平成初の快挙を成し遂げる。

高橋は新元号の由来となった梅、ではなく、桜の木の下で、春の訪れを願った。「平成で勝つ、ということは4月中に勝つということ。自分も早く勝ちが欲しいです」。日本中が新元号発表を待ちわびていた11時半頃は、キャッチボールで入念にフォームを確認。心待ちにする1勝目へ、ひたむきに練習を重ねた。

平成の名シーンが、夢を後押ししてくれた。熱狂的な虎党の父幸司さんの影響で、6歳から野球にハマった。「WBCのイチローさん、オールスターの藤川球児さんだったり、いろんなことがありましたね」と記憶を掘り起こす。イチローのWBC決勝適時打、藤川の火の玉ストレート。身震いした興奮が、プロを自然に目標とさせた。

チャンスを逃さない。小学4、5年の頃、東京ドームでの伝統の一戦に家族と足を運んだ。「目指していた場所に立てる可能性がある。緊張しながらマウンドに立てることに、感謝しながらプレーしたい」と喜びを隠さない。同行した広島遠征で、真っ赤に染まるスタンドから公式戦の雰囲気を体感。阪神ファンの圧にも負けない自信がある。

この日の練習にはファームでローテーションを回る大竹、沢村、田口、高田も参加。休養日の野上を含め、高橋が座るいすには、経験豊富なライバルが控える。「今持っている自分の力をしっかりと発揮して、勝負したいです」。5月以降の「令和」でも、いすを守るために、猛虎を黙らせる。【桑原幹久】