お菓子ならぬ本塁打量産中だ! ロッテの新「4番」角中勝也外野手(31)が延長10回、2試合連続となる2号勝ち越し3ランで勝負を決めた。中村奨吾内野手(26)の2打席連続アーチなどでソフトバンク千賀に食らいつき、最後はひっくり返した。チーム本塁打数は14本でトップを独走中。昨季12球団ワーストの78本塁打だったチームがガラリと変身した。ここから、この長打力を勝利に結びつけていく。

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いつものようにノーステップに変えた。角中は3-3の延長10回、無死一、二塁。追い込まれてから下半身をどっしり打席に打ち込んだ。1球ファウルを挟み5球目の内角の直球を強振。「最悪引っ張ってランナーを進めようと思ったが、追い込まれてからはその気持ちを捨てた。三振をなくして強い打球を打とうと。さすがに打った瞬間いったと思った」。強い体幹が打球をスタンドまで運んだ。

昨季24本塁打の4番井上が極度の不振に陥り、4日の西武戦から4番に入ったが「元から何番を打とうが自分のスタイルを変えるつもりはない」といつもの自分を貫き、2試合連発で大きな仕事を果たした。

今季から海外メーカーのビクタスのバットを使用する。「ハードメープルという硬い素材。普通は打っているうちにへこむものなんですが、全然へこまない。パンチショット気味に打つ自分に合っていると思います」。860グラムでオーダーしたが865グラムのバットが届き「5グラム変わるとバランスが変わってしまうから合わないかなと思ったら、はまった」と、今もその重さのタイプを使い続ける。

チームは昨季、12球団ワーストの78本塁打と長打力が課題だったが、今季は12球団トップの14本塁打を放っている。本拠地ZOZOマリンには外野フェンスが最大4メートル前に出たホームランラグーンが設置された。さらに昨季までで日本通算131発のレアード、メジャー通算35発のバルガスが加入し打線に厚みが出た。井口監督は「今日はヒットも16本出ましたし、打線としていい形で来ている」と新打線の手応えを口にした。

その中心に座る角中は「チーム全員で勝ち取れた1勝です。パ・リーグナンバーワンと言っても過言でない千賀の日に勝てた。流れに乗っていかないといけない」。まだ今季2勝の5位。本塁打同様、勝ち星も量産していきたい。【久永壮真】