広島が延長10回の1イニングで12失点する衝撃的な内容で、ヤクルトに敗れた。これで開幕から4カード連続負け越し。過去優勝したチームで、4カード連続負け越しからスタートした例はない。リーグ4連覇を目指す王者が、厳しい状況に追い込まれた。

気迫の勝負手が、悪夢のシナリオに変わった。同点の9回を3人で抑えた守護神中崎が、10回も続投したところまではよかった。松山の悪送球などで1死満塁となった後、二塁への当たりを名手菊池涼がファンブル。捕球していても微妙なタイミングだったが勝ち越しの適時失策となった。さらに1点を失ったところで中崎は降板。代わった中田がさらに失点を重ねた。

10回だけで3失策。3回安部の失策を加え4失策。今季17失策はセ・リーグ断トツで、守りの野球を掲げる広島らしからぬ戦いが続いている。この日は救援陣が踏ん張っただけに、もり立てたいところだった。

あまりにショッキングな敗戦。緒方監督は「勝ちきれるチャンスがあったし、いい采配ができなかったということを自分の中で大きな反省として、また明日しっかりとした采配を振るだけです」と言葉を絞りだした。【村野森】