矢野阪神どうした!? 阪神が球団史上初めて1試合で満塁本塁打を2本食らって、中日に大敗した。

4回に岩貞が京田に、8回は岩崎が堂上に被弾。5投手で17安打を浴びて10失点し、打線の反発も遅れて今季最長タイの4連敗となった。被本塁打22、被安打132はともに12球団ワースト。甲子園6連戦はここまで1勝4敗と虎党の嘆きが深まっている。

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超満員の甲子園が沈黙した。1点を追う4回。大島、加藤の連打から、柳のバントヒットで迎えた無死満塁。岩貞の京田に投じた初球スライダーが、外角に構えた捕手のミットから内寄りに入った。衝撃音を残した打球は、黄色く染まった右翼スタンドに着弾。一瞬で点差が5点に広がった。序盤に浴びた痛恨の満塁本塁打で試合の流れを手放してしまった。

悲劇はこれで終わらない。8回には4番手岩崎が2つの四球と守備のミスも絡んで2死満塁とすると、5番堂上に左翼席へ満塁アーチを被弾。これで完全にトドメを刺された。阪神の1試合で2満塁本塁打の被弾は、長い球団の歴史でも初めてとなる惨事。さすがの矢野燿大監督も「満塁ホームランを2本打たれているわけやから、こっちに流れが来るってことはなかなか考えにくい」と、険しい表情を浮かべた。

前日12日は先発メッセンジャーが主砲ビシエドに2被弾を浴びるなど9失点の大敗。リーグワーストの防御率4・79と自慢の投手陣が波に乗れない。チーム132被安打、22被本塁打も、ともに12球団ワーストと投壊状態だ。ただ、指揮官は「どっちかだけの責任じゃない。打てないところはピッチャーに対するしわ寄せになっている部分もある」と分析。その言葉通り攻撃面でもチーム打率2割2分1厘(リーグ5位)と元気がない。

DeNA、中日と2カード連続の負け越しが決定。2度目の4連敗を喫し、最下位広島とのゲーム差も1ゲームとなった。指揮官は「ありきたりやけど粘るってことをしていかないと、チームとして勝つという方向にはなかなかいかない」と力を込めた。14日には前回7日広島戦で完封劇を演じた西が先発マウンドに上がる。負のスパイラルを断ち切りたい。【桝井聡】