1075日ぶりの首位には届かなかった。8回に追いつき、9回のマウンドに守護神・鈴木博を送る必勝対戦も、先頭の大引への四球でつまずいた。2死満塁のピンチを招き、雄平に152キロの直球を左前に運ばれ、2失点。首位とは1・5差に逆戻りした。

鈴木博は連続無失点が5試合で途切れ、今季初黒星。「先頭への四球が一番いけなかった。2死満塁まで行って0点で抑えないと。力不足だった」。ロッカーを最後に出た守護神は、悔しさを押し殺した。

ベンチからどれだけ声をかけ続けたのか、与田監督の声も、少しかれていた。「(鈴木博は)ストライクもなかなか入らず、苦しい投球だった。何とか先制して、同点まで行くが、勝ち越せなかった。流れをつかみきれないところがあった。投手が何とかがまんをしていかないといけない展開だった」と振り返った。

ただ、収穫もあった。先発柳が6回途中まで3失点で耐えた。バトンを受けた又吉、田島、佐藤も無失点リレー。7回には、今季初出場の代打松井雅の右翼線二塁打から1点を返した。松井雅は8回2死満塁から同点に追いつく押し出し四球も選んだ。昨季チーム最多の72試合で先発マスクを被りながら、開幕は2軍。昨秋から競争意識を植え付けた与田流が、こういう場面で実を結んでいる。

「(3連戦の勝ち越しは)当然のことだね」と監督は、3カード連続勝ち越しへの自信ものぞかせた。この日、今季最多の3万2477人がナゴヤドームに詰めかけた。首位奪取へ、竜党の期待は高まっている。【伊東大介】