平成最後の東京シリーズ最終戦で、ヤクルトが歴史的勝利を飾った。

巨人のエース菅野智之投手(29)から3回、2番青木宣親外野手(37)、3番山田哲人内野手(26)、4番ウラディミール・バレンティン外野手(34)が3連発。7回にも山田哲、バレンティンの2者連続本塁打が飛び出し、終わってみれば今季最多の18安打を放ち、11得点で大勝。連敗を3で止めた。

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神宮球場に、歓喜の東京音頭が鳴り響いた。連敗を3で止め、巨人菅野に打ち勝った。最近6戦を1勝5敗と苦しんでいたが、歴史的勝利で流れを断ち切り、小川監督は「打ち込まれた連敗だったが、選手の執念が出た。菅野への思いが出たと思う」と称賛した。

0-0で迎えた3回無死一塁、青木が2球目の低めスライダーにうまくバットを合わせて、右翼席に運んだ。先制の4号2ランだ。ベンチ前でつば九郎のぬいぐるみを左手に抱えながら、バレンティンと“シャキーン”ポーズを披露した。「最近いい流れの試合がなかったので、先制点がほしかった。つないでいく意識の中での本塁打だった」と振り返った。

続く山田哲は2球目のスライダーを左翼席へ。5号ソロで、流れは完全にヤクルトに傾いた。バレンティンが直球を豪快に左翼席に運ぶ5号ソロで続き「前の2人に続いて狙っていました。完璧です」。青木と再度“シャキーン”ポーズを決めた。

青木とバレンティン、山田哲の3人で開幕前に決めていたパフォーマンスだ。ファンにも徐々に浸透しており、青木は「最後のシャキーンは、子どもたちに人気が出るかもね」とフィーバーを期待する。しかし山田哲はまだ1度も披露しておらず「シャキーンが恥ずかしいのか、やりたがらないんだよね」と青木は苦笑い。トリオの3連発でもポーズは飛び出さなかったが、山田哲は「大きいのは狙っていなかった。3連発は勢いでしょう」。7回には、バレンティンと2者連続本塁打も放った。

神宮での菅野との対戦は昨年10月14日、クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第2戦、ノーヒットノーランを喫し敗退して以来。悔しさは胸に刻み込まれており、ミーティングでは「同じことを繰り返さないようにしよう」と徹底された。青木は「今年は今年。みんなのどうにかしたい気持ちが出ていた」とまとめた。27日からの12連戦へ、燕が勢いを取り戻した。【保坂恭子】