楽天は今季初の3連敗で首位陥落も、茂木栄五郎内野手(25)が本塁打を含む3安打の活躍で、最後までチームをもり立てた。2回までに5点を先行される苦しい展開。2回裏の攻撃を前に真喜志ヘッドコーチからゲキが飛んだ。「ここから気持ち入れ直すぞ。諦めずに行こう!」。2死二塁、ボルシンガーのスライダーをとらえての右越え本塁打で反撃ののろしを上げた。「まだだまだこれからだと」。ベンチ前でも、チームを奮い立たせるかのように、声を張り上げハイタッチを繰り返した。

茂木につられるよう4回にブラッシュ、5回に浅村と1発攻勢で追い上げ、銀次の適時二塁打でついに同点とした。9回表に守護神松井が2死から勝ち越されたが、最後まで勝利への執念を失わなかった。9回裏は先頭で1-2から150キロの直球をファウルした後、外寄りのシンカーに合わせ中前に運んだ。3安打の中でも「最後が一番よかった。何としても出塁したかったので、粘ってつなげられた」と本塁打よりもしぶとい打撃を自己評価した。

3試合連続2桁安打、この日も先発全員安打と打線は好調を維持している。平石監督も「諦めずによく粘って盛り返した。しっかり切り替えて明日に臨みたい」と前を向いた。価値ある敗戦にも茂木に満足感はみじんもない。「負けたら一緒。(25日の)日本ハム戦も追いついてから勝ち越したのに負けてしまった。勝ち切れないのが課題」と、連敗脱出への強い気持ちをのぞかせた。【野上伸悟】