楽天の切り込み隊長、茂木栄五郎内野手(25)が早大の1年先輩でもある日本ハム有原を打ち砕いた。

決勝の今季5号ソロを含む2安打2打点をマーク。チームを今季2度目の4連勝に導いた。先週14日の対戦では有原に8回1失点の好投を許し、1-13と大敗。「次はやり返したい」と誓っていた茂木の意地の大活躍だった。

茂木の体が躍動した。3-3と追いつかれた直後の5回表。「引っ張れる球を待っていた。内角の球でやられることが多かったので、1球でも強くはじき返せたら、また攻め方も変わるんじゃないかと思って」。カウント1-1から有原が投じた内角高めカットボールにこん身のスイング。楽天ファンのいる右翼席中段へ決勝の今季5号を突き刺した。

6回にも「バットに当てたら何とかなる」と、外角チェンジアップを拾うようにして中前適時打。追加点でチームの4連勝をグイッと引き寄せた。試合後のお立ち台では「どういう場面でも、投手も野手もあきらめずにプレーできているのでこういう結果につながっている」と胸を張った。

大敗した先週14日の日本ハム戦。試合後、楽天生命パークの通路で有原とばったり遭遇した。「来週も対戦あるよ」と笑顔で声をかけてきた先輩に、茂木は「またよろしくお願いします!」と直立不動で返事。その後、有原が立ち去ると「次は絶対にやられないように。やり返せるようにしたい」と誓った。その言葉どおりの2安打2打点だった。

前回対戦時にも1安打はマークしたが「点差が離れている状況だったので参考にならない」という。その上で「(大学時代に)守っていてすごい投手だと思っていましたし、プロで対戦して『こういう投手が勝てる投手なんだ』と痛感させられた。今日みたいな展開で打てたのは僕にとっても自信につながる」。学生時代から尊敬してきた有原を相手に結果を出し、納得の表情を浮かべた。【千葉修宏】