中日亀沢恭平内野手が本塁上で派手なガッツポーズを決め、中日ベンチの期待に応えた。8回2死一塁、大島の打席だ。暴投で一塁走者三ツ俣が二塁へ進塁すると、与田監督はすぐさまベンチを出た。「代走亀沢」をコール。大島がファウルで粘る。カウント3-2からの8球目は、右前への浅い安打。俊足亀沢は、滑り込んで左手でホームベースを陥れた。

「ワンチャンスに大島もよくファウルで粘ってくれた。亀沢も際どいタイミングだけど、よく走った。(亀沢は)勝負できる選手。期待によく応えてくれた」と与田監督。オリックスからリクエストが要求されるクロスプレーだったが、判定通りのセーフだった。1点差の辛勝で連敗も2でストップ。指揮官は貴重な1点をもぎ取った2人を褒めたたえた。

今月初タイムリーを決めた大島も笑顔。「二塁に走者が進んでヒットで返せたらと思っていた。少し詰まったけど、いいところに飛んでくれた」と言葉も弾んだ。本塁を陥れた亀沢も「求められたところを、しっかりこなすだけ。無我夢中で走りました」。開幕1軍こそ手に入れたが、4月序盤に登録抹消。5月末に1軍復帰してからの最高の場面で輝いた。

平田や笠原らケガ人が続いた。「何度も言ってきたが、今いるメンバーで結果を出せるように使っていくだけ」と指揮官。借金生活は続くが、反攻への光を感じさせる1勝になった。【伊東大介】