遠い白星。広島は緒方孝市監督(50)の積極采配も実らず、終盤8回に連続押し出し四球で逆転負けを喫した。リーグ戦再開後は勝利がなく、99年以来20年ぶり11連敗。借金5を抱えてペナントレースを折り返すことになった。敗戦の中で光るプレーを見せた新加入の三好に加え、2軍調整中の選手たちも球宴期間中に合流見込み。戦力を整えて、巻き返しを図る。

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広島緒方監督の積極采配も、連敗阻止にはつながらなかった。三好を移籍初出場となる「7番遊撃」で先発初起用した。さらに両軍無得点の6回無死二塁では右越え二塁打を放った三好から田中広、1点を追う9回無死一塁では菊池涼から曽根へと代走を送った。その6回は代走田中広が足と技で捕手のタッチをかいくぐり、内野ゴロで得点につなげた。しかし、1点リードで迎えた8回に2番手レグナルトが2者連続押し出しで逆転を許した。99年以来、20年ぶり11連敗。白星が遠い。

「勝ってオールスター休みに入りたかったけどね。1回また体、そして気分的にもリフレッシュして。(後半戦に)気持ちを切り替えて臨みたい」

広島は5月に月間20勝を挙げて一時は貯金14でリーグ首位に立つも、6月に急失速した。交流戦は最下位に終わり、リーグ首位からも陥落。7月はいまだ勝利がない。浮き沈みの激しい戦いにも、緒方監督は「本当の意味での勝負は夏場。今こうして連敗はしていますが、最後の最後まで自分たちの野球をやる。しっかり目標を持って定めて戦っていきたい」と後半戦を見据える。

開幕から入れ替えながら臨んだ打線の答えはまだ見つかっていない。それでも指揮官の頭には「この先は固定していく中で修正していこうと考えています」とプランがある。球宴明けには再登録が可能となるバティスタや小園らが1軍に合流する見込み。追い上げ態勢を描いていく。

前半戦最後に、攻守にキラリと光るプレーを見せた三好は好材料。指揮官は「よく打ってくれた。(チームが)ずっとヒットが出ていない中、しっかりとした打球を飛ばしてくれた。守りでも面白いプレーをしてくれた」と賛辞を送った。主力選手に再合流する実力者、そこに新たな戦力を加え、逆襲のプランを練る。【前原淳】

◆広島99年の11連敗 6月25、27日の巨人戦連敗から始まった。同30日の富山での横浜戦に20失点で大敗すると、7月2日からの甲子園3連戦で阪神に3タテ、広島に戻って横浜にも3タテを食らった。同9日の東京ドームでの巨人戦に敗れついに2桁連敗。同10日の同戦は先発ミンチーがマルティネスに満塁弾を浴びるなど4回7失点で3-12で完敗。11連敗中、98失点と投手陣が崩壊した。達川監督は「ファンの方に申し訳ない。その一言です」。だが、翌日の巨人戦、さらに同13日の中日戦にも敗れて連敗は13まで伸びた。