10日に支配下登録された広島エマイリン・モンティージャ投手(23)が11日、マツダスタジアムで会見し、1軍での活躍を誓った。

最速154キロの本格派左腕で、先発として期待される。契約金は10万ドル(約1100万円)で6年契約。今季年俸は8万ドル(約880万円)プラス出来高払い。背番号は98。20年ぶりの11連敗中と苦しむ広島の、救世主になるか。(金額は推定)

マツダスタジアムで行われた会見で、モンティージャの口から熱い思いがあふれ出た。16年にドミニカ共和国のカープアカデミーに入ってから、日本で支配下登録される日を夢見てきた。「幸せです。このような機会を与えてくれた球団、関係者に感謝したい」と、瞳を輝かせた。

17年秋季キャンプで初来日し、以来練習生として力をつけてきた。武器は、190センチ、115キロの巨体から繰り出す最速154キロのストレート。今年に入って自己最速を1キロ更新している。「スライダー、チェンジアップ、フォークも投げる。低めに集めて打たせて取るのが投球スタイル」と自らを分析する。

広島は、カープアカデミー出身者を1軍戦力に育て上げるシステムをつくってきた。フランスアは昨年、練習生→育成→支配下とステップアップし、1軍でセットアッパーに抜てきされた。今季途中から抑えの役割を担っている。モンティージャは、同様のサクセス・ストーリーを目指す。

成功した同僚から貴重な助言をもらっている。「バティスタ、メヒア、フランスア…みんなからアドバイスされた。育成になったときは『目標はここじゃない』と言われたし、練習がきついときも『がんばれ』と声をかけてくれた」。どうすればうまくいくか。進むべき道は、はっきりと見えている。

11連敗中の広島は、先発の駒不足に直面している。佐々岡投手コーチは、モンティージャを13日のチーム練習に参加させ、守備、投内連係、サインプレーなどをチェックする方針。問題ないと判断すれば、いきなりデビューさせる可能性もありそうだ。「真っすぐが魅力。先発として考えている。細かいところにまだ不安はあるが、昨年と比べても暴れなくなった」と期待している。

広島の1軍投手陣は、抑えのフランスアとセットアッパーのレグナルト、先発ジョンソンで3枠が埋まる、野手はバティスタとメヒアのうち、どちらか1人が登録されるのが基本だった。ここにモンティージャが割って入ろうとしている。「100%の準備をして、勝てるように貢献していきたい」と話す左腕が、後半戦のキーマンになるか。【村野森】

 

◆エマイリン・モンティージャ 1995年10月2日、ドミニカ共和国生まれ。ウルピーナゴンザレス高出身。16年にカープアカデミー入り。広島の17年、18年秋季キャンプに練習生として参加。今春キャンプにも参加し、5月に育成契約。ウエスタン・リーグの成績は8試合2勝2敗、防御率1・98。190センチ、115キロ、左投げ左打ち。