ソフトバンク高橋礼投手(23)が、6回2/3を無失点に抑え、自身初の10勝目を挙げた。チームは今季5度目の5連勝となった。

2点の援護をもらい、2回無死満塁のピンチでも動じなかった。ウィーラーを内角134キロ直球で投ゴロ併殺。続く辰己も直球で空振り三振に仕留めた。「ここ2、3試合、直球の感覚がつかめているので、今日も走っていると印象づけられてよかった」と強気で攻め、中盤からは変化球も増やし、3回、4回も併殺を奪って「0」を重ねた。

7回途中で降板したが、無失点でチームを勝利に導いた。今季は開幕からローテーションを守り、疲れもピークにきている。酸素カプセルなど球団の施設は積極的に利用。「僕のお風呂は長いですよ。30分くらいかな。交代浴が一番」と熱い湯と水風呂に交互に入る。その間は動画で自分の投球を振り返る。体は休めながらも、頭は次の登板へのヒントを探している。カード頭を任される現状も「刺激的でおもしろいですよ」とケロリと話す。相手が強いほど、ワクワクする強い精神力も、令和のサブマリンの魅力だ。

「10勝は自分の自信につながる」。1年目に0勝の投手が2年目に2桁勝利を記録したのは99年ダイエー時代の永井、星野(ともに0勝→10勝)以来20年ぶり。昨年は主に中継ぎで12試合に登板したが、まだ新人王の資格はある。「それはまったく意識していない」。中継ぎで48試合2勝4敗8セーブ、18ホールドと活躍するルーキー甲斐野らとハイレベルな争いを続ける。チームは両リーグで60勝一番乗り。若手の競争も、首位の大きな原動力となっている。【石橋隆雄】

▽ソフトバンク工藤監督(10勝目の高橋礼に)「素晴らしい。10勝より、3つしか負けていないことが大きい。3連戦の初っぱなに投げてもらうくらい、彼が投げた試合は勝たないといけないというピッチャーになっている。期待しているし、期待に応えてくれている」