今永攻略、1歩及ばず…。広島がクライマックス・シリーズ(CS)で対戦するかもしれないDeNA今永にまたも勝ち星を献上した。

8回途中で今季最多8安打を浴びせながら2点止まりで、今季対戦6戦で5勝目を献上した。3カード連続負け越しで2位DeNAとのゲーム差は3・5差に拡大。CS本拠地開催がいよいよ危うくなった上、4位阪神が2ゲーム差に迫ってきた。残り17戦。踏ん張りどころだ。

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広島の今永攻略作戦はあと1歩及ばなかった。7回1/3を8安打で得点は2。8回1死から長野が執念の内野安打で出塁し、天敵を降板させたが、リリーフを打ち崩せず無得点。そのまま敗戦が決まった。

必勝態勢だった。スタメンに、投手を含め右打者7人を起用。各打者が狙い球を絞って揺さぶった。1回は2死から鈴木が四球を選び、松山、会沢の連打で先制。さらに二、三塁の好機だったが、メヒアのライナー性の打球は二塁手のグラブに納まった。3回は1死二塁から鈴木の適時二塁打で2点目を奪ったが、後続が凡退。今永に対し浴びせた8安打は今季最多。緒方監督は「あっさりやられたわけじゃないし、簡単にやられたわけじゃない」と話した。それでも勝てず「悔しい試合」と振り返った。

今永には、今季6度目の対戦で5勝目を献上した。防御率は1・42。6戦のうち唯一相手に「勝ち」がつかなかった4月19日も、7回を無失点に抑えられている。完封された2試合のうち、4月12日は1安打しか打てなかった。その一戦で唯一安打を記録した菊池涼は、左足甲付近に自打球を当てた影響でこの日も欠場。代役2番に送り出した長野が2安打と気を吐いたが、攻略には至らなかった。

2位DeNAに再び3・5ゲーム差をつけられ、CS本拠地開催がいよいよ危うくなってきた。3位通過で2位DeNAと対戦することになれば、今季3勝8敗1分けと分の悪い横浜スタジアムが舞台となる。さらに4位阪神も2ゲーム差に迫っており、尻に火もついた。

緒方監督は「まだまだ。また週明けから1戦1戦、勝利目指して戦っていくだけ」と前を向いた。諦めずに戦い抜くしかない。【村野森】

▽広島東出打撃コーチ(DeNA今永に5敗目)「入りは良かったと思う。やられっぱなしはダメ。自分たちがやれることができていないと負ける」