スクランブルで必勝だ。広島野村祐輔投手(30)が2日、出場選手登録を抹消された。この日の先発投手練習にはジョンソンや大瀬良らとともにグラウンドに姿を見せたが、戦列を離れることになった。前半戦不調だった右腕だが、後半戦は3連勝するなど先発の一角として回っていただけに、チームにとっては痛手。上位争いに食らい付くため、チームはスクランブル態勢を敷く。

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ジョンソン、大瀬良、床田、野村の先発4投手がマツダスタジアムで汗を流した。キャッチボールを行わず、ショートダッシュなどで調整した野村だったが、選手登録を抹消された。練習後はいつも通り、報道陣の質問に答えていたが、何かしらアクシデントがあったとみられる。残り17試合。3日から6連戦。来週10日からは7連戦も控える。シーズン最終局面で、実績ある右腕を欠く事態に陥った。

2位DeNAに3・5ゲーム差に広げられ、4位阪神にも2ゲーム差に迫られた。何とか上位争いに踏みとどまり、1つでも上の順位を目指したいところ。エースの大瀬良はナインの思いを代弁する。「とにかく一戦一戦、戦っていくだけ。(順位は)上も下も目には入りますけど、そこに左右されることなく、目の前の試合を勝っていけばまだまだ、いろんなチャンスがあるかと思う」。野村離脱も、一戦必勝の姿勢は変わらない。

まずは3日からヤクルト3連戦。初戦ジョンソンに続くのは、大瀬良、床田がともに中5日での先発となる見込み。大瀬良はヤクルトに対し、入団から無傷の12連勝中と相性がいい。それでも「数字ほど相性がいいとは思っていない。打線もすごいですし、よく打たれている試合もあるので、まったく油断はできない」と表情を引き締める。自身の前回登板8月29日巨人戦は3回途中10失点。信頼を取り戻す投球を誓う。

週末の阪神3連戦も九里、薮田が中5日で先発するとみられる。佐々岡投手コーチは「(登板間隔を)詰めていく可能性はある。1戦1戦戦っていく中でどうなるか」と明言。8日の阪神3戦目は、3日先発のジョンソンの球数次第で中4日で回す可能性も出てきた。1つでも上の順位でゴールテープを切るため、最後のムチを打つ。【前原淳】

○…中継ぎ陣もスクランブル態勢だ。勝ちパターンを確立できず、抑えフランスがイニングまたぎや連投など獅子奮迅の働きをみせる。チーム方針として最大3連投としてきたが、信頼度の高いフランスアには4連投させるプランも。佐々岡投手コーチは「残り試合も少なくなった。そういう考えもある」と示唆した。中村恭や菊池保らとともに、勝ち試合を着実にものにしていくつもりだ。