阪神がDeNAに痛恨のサヨナラ負けを喫した。5-5の延長10回に能見が主砲筒香に2ランを浴びた。

4回に一挙4点を先制する理想の展開だったが、攻守でミスが出て流れを失った。3位広島が先に最下位ヤクルトに敗れており、勝てば1・5ゲーム差だった。2・5差で変わらず、クライマックスシリーズ(CS)進出を争う戦いは厳しいままだ。

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ショッキングな幕切れだった。5-5の延長10回。1死から6番手能見がロペスを四球で歩かせると、カウント2-1から筒香に内角スライダーをフルスイングされ、右翼席中段に運ばれた。ドッと沸くDeNAベンチとは対照的に阪神ベンチは意気消沈。4時間18分のロングゲームは矢野阪神にとって痛すぎる敗戦となってしまった。

ゲームセット直後にベンチ裏から出てきた矢野監督は悔しさを押し殺すように口を開いた。「まあ、そら負けるには原因がいろいろあると思うし、1本が出ないのもそうやし、ミスもあったしね。原因はいろいろとあると思う」。4点リードの試合は最後にまさかのうっちゃり負け。指揮官は「ピッチャーだけの責任には俺はできへんけどね」と攻守でのミスをポイントに挙げた。

頻発するミスが流れを変えた。4回に先制2点タイムリーを放った北條が、1点差まで迫られた7回1死で走者を送れずバント失敗。8回には内野安打で出塁した近本がけん制アウトとまさかのボーンヘッド。DeNAよりも多い14安打を放ちながら11残塁と得点につなげられなかった。守備でも6回にサード北條の一塁悪送球から傷口を広げた。

落雷の影響でノーゲームとなった前夜。矢野監督は「中継ぎも総動員でいける」と宣言。「みんなで狙っていく」とCS進出を絶対目標に挙げた。その言葉通りに6回途中で先発秋山を下げると、惜しげもなく強力中継ぎ陣を投入。だが、ミス連発が投手陣にも影響したのか…。8回のジョンソンが登板51試合目で佐野に来日初被弾を喫するなど、今季ワーストタイの4本塁打を浴びた。

矢野阪神が追いかける3位広島は、先に神宮でヤクルトに敗れた。勝っていれば1・5ゲーム差まで迫ることが出来たはずが、ゲーム差は2・5差のまま…。投手陣への信頼は変わらないか? そう問われた指揮官は「当たり前やん!」と返した。強みを生かした戦い方を貫く。シーズン残り19試合。負けられない試合が続く。【桝井聡】

▼阪神のサヨナラ負けは、7月16日中日戦以来で、今季5度目。サヨナラ本塁打を打たれたのは18年9月17日DeNA戦でのソト以来で、今季初。

▼阪神は14安打を放ちながら敗戦。負けた試合での安打数では、今季最多だった。

▽阪神金村投手コーチ(10回への継投について)「(9回登板の)ドリスを打席に立たせてソト、ロペスにいきたかったけど…。試合の流れ的に誰がいってもきついね」

▽阪神島本(6回無死一塁から2番手で登板、1失点も無死満塁を切り抜ける)「満塁になってからは開き直って投げられたけど、先頭(打者)から開き直っていくくらいじゃないと」

▽阪神能見(筒香にサヨナラ弾を浴び)「打たれたことを振り返っても仕方ない。自分の力がなかった。それだけです」