最後まで諦めない!日本ハム清宮幸太郎内野手(20)が決勝の2点適時打を放った。

ソフトバンク22回戦(札幌ドーム)の同点で迎えた8回1死満塁から、一、二塁間を破る勝ち越しタイムリー。15打席ぶりの安打で、4点差をひっくり返す逆転劇を生み出した。クライマックスシリーズ(CS)進出へ、3位ロッテとゲーム差3・5。残り9試合にかける。

   ◇   ◇   ◇

清宮が大きな仕事をやってのけた。4-4の同点で迎えた8回1死満塁、ソフトバンク甲斐野にわずか2球で追い込まれながらも食らいついた。「満塁でしたし、なんとかバットに当たればというところだったのでその気持ちだけでした」。4球目、抜け気味のフォークをたたき、ゴロで右前へ運ぶ値千金の2点適時打。「みなさんの声援のおかげで何とかあそこに抜けてくれたかなと思います」。試合後のヒーローインタビューで、満員のファンを前に笑みがはじけた。

勝ち越し打の打席では、4日前に同じような場面で凡退したシーンを思い返していた。11日の楽天戦(東京ドーム)、同点の8回2死満塁で打席がまわった。一打勝ち越しの場面にフルカウントまで粘りながら、最後は変化球に泳がされ二ゴロに倒れた。「この前も同じような場面で自分がチャンスをつぶしてしまったので、今度こそはと思って打席に立ちました」。悔しさを糧に、今度こそ勝負どころで結果を残した。

チャンスメークしてくれた先輩たちに最敬礼だ。決勝打の時、二塁から生還した中田とはベンチでグータッチして喜びを分かち合った。試合後、報道陣から中田とのやりとりについて問われ「『もっとかえりやすい打球を打ってくれよ』という感じで言われました。おかげで打点もついたのでありがたいです」と感謝した。栗山監督は「まあ、たまには打たないと」とさらなる活躍を求めた。

札幌ドームでは21日からラグビーW杯が行われる。幼少期ラグビー経験のある清宮がお立ち台に上がった本拠地から、16日ソフトバンク戦の舞台は旭川に移る。「北海道の地方球場は(今季)最後になるので良い試合ができるように、チーム一丸で勝利を目指してがんばりたいと思います」。CS進出圏内まで望みがある限り、最後の最後まであきらめない。【山崎純一】