2軍で奮闘する若虎にスポットを当てる「鳴尾浜便り」。今回は17年ドラフト1位で阪神に入団した馬場皐輔投手(24)です。2年目の今季は2軍で先発ローテーションを守り、奪三振数はリーグトップ。磨いた直球の秘密に迫りました。

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充実の表情で、シーズンフィニッシュを迎えそうだ。馬場がウエスタン・リーグで奪三振「85」でトップの位置にいる。「キャッチャーが低めに構えたところから、すうっと伸びていくストレートをずっと練習してきた。しっくりくるフォームもできた。試合でもベース前で確実に伸びている実感がある」。2年目の今季に目指した「浮き上がるストレート」の手応えが数字に表れた。

直球を磨いたことで、変化球の精度も上がり、空振りが取れるようになった。「フォーク、スプリットの落ちるボールも効いている。だから、低めでゴロアウトも増やせる。根気強く低めに投げることで、空振りやゴロアウトが奪えています」。浮き上がる直球と落ちるボールの駆使し、三振数を伸ばした。

今季は同リーグでここまで18試合に登板して5勝6敗。97回2/3を投げて防御率は3・13。先発ローテーションの柱を務めた。「1年間投げきって、100イニング近く投げられたのが収穫。去年とは圧倒的に経験や投げている球も全然違う。打者を自分の力で抑えることができています」。投球フォームが固まったことで安定感が出てきた。登板時にフォームで意識するのは「体重移動ですね。後ろにたまったものを、前でうまく放出する。投げ急がないで、うまくためてから落ち着いて投げるようにしています」。今季の1軍登板は2試合だけでプロでは未勝利。17年ドラフト1位はじっくりと階段を上り、来季勝負の3年目に挑む。【取材・構成=真柴健】