中日に延長10回、悲劇が待っていた。4番手R・マルティネスが1死満塁から広島会沢に投じた151キロの直球。打ち取ったかに見えた打球は二塁後方にポトリと落ちた。

今季12度目のサヨナラ負け。勝てば3位広島に0・5差に迫れたが、今季1勝の鬼門マツダスタジアムで痛恨の1敗を喫した。

与田監督は、疲れた表情をのぞかせた。「選手たちは本当によく頑張ってくれた。勝ちに結びつけられなかった責任を痛感している。残り全勝? いつも言うように、最後の最後まで戦う。それだけです」

指揮官の言葉通り選手は粘った。15日にノーヒットノーランを達成し、万全の中7日で先発した大野雄は8回途中3失点。2点ビハインドの9回表には、ビシエドの起死回生の18号2ランで追いついた。逆転CSへの執念をナインはほとばしらせた。

この日で目標の170イニング以上を投げ抜いた大野雄が「勝ちたい。その一心でした。勝てれば一番良かったが、まだ終わりじゃない。可能性がある限り全員で戦っていきたい」と、ナインの気持ちを代弁した。連勝は4で止まり、5位転落。残り5試合、負けることは許されなくなった。【伊東大介】